マティア・バザールについて

　イタリアのレコード会社アリストンは、アントネッラ・‘マティア’・ルッジェーロ（1952年11月15日ジェノヴァ生まれ）をデビューさせるために、1970年代前半に活動していたジェットから、カルロ・‘ビンボ’・マッラーレ（1952年３月５日ジェノヴァ生まれ）、ピエロ・カッサーノ、アルド・ステッリータ（1947年８月21日カンポベッロ・デ・マザラ生まれ）を、そしてムゼオ・ローゼンバッハからジャンカルロ・ゴルツィ（1952年２月10日サンレモ生まれ）を集めた。そうして結成されたグループは、1974年にマティア名義でシングルを発表する。
1975年にそのシングルのＡＢ面を逆にして、マティア・バザール名義のデビュー・シングル「夜をとどめて」を発表し、夏のディスク・フェスティバルに同曲で出場する。サンレモ音楽祭には、1977年「恋の冒険」で初出場し、翌78年「チャオの一言」で見事優勝を飾る。（日本でもこの頃からＦＭラジオのサンレモ音楽祭特集等でにわかにマティア・バザールの曲が流れだすが、本格的に注目され始めたのは後に「愛のブルートレイン」がマキシムのテレビＣＭで使われた時から。）イタリアでは「Tu　Semplicita」や、日曜のＴＶ番組「ドメニカ・イン」のテーマ曲「Mr.Mandolini」がヒットする。1979年ユーロ・フェスティバルにイタリア代表で参加、後半期に「C'e　Tutto　Un　Mondo　Zntorno」が大ヒットし、80年に「Italian　Sinfonia」がヒットする。81年に中心メンバーだったカッサーノが脱退し、しばし活動休止状態になるが、82年マウロ・サッビオーネが参加し、アルバム『ベルリン、パリ、ロンドン』を発表。83年サンレモ音楽祭に「ローマの休日」で参加し、鬼才ロベルト・コロンボのプロデュースでアルバム『タンゴ（ローマの休日）』を発表する。サッビオーネが脱退し、コロンボとマッラーレがサウンド・クリエイティヴの中心となり、84年アルバム『マジック・モーメンツ』を発表、同年10月世界歌謡祭に「マジック・モーメンツ」で参加し、これが初来日となる。85年サンレモ祭に「スーヴニール」で入賞。コロンボ紹介のセルジオ・コッスが正式メンバーとなり、プロデュースはチェルソ・ヴァッリとマティア・バザールでアルバム『メランコリー』を製作、これにヤコボ・ヤコペッティがサックスで参加した。このアルバムはセールス的にも大成功を収め、日本ではこのアルバムから３曲がＣＭソングに起用された。88年サンレモ祭に「空の一番星」で参加。89年アルバム『レッド・コーナー』を最後にアントネッラがマティア・バザールを離れる。グループは、新しい女性ヴォーカリスト、ラウラ・ヴァレンテを迎えて活動を続け、一方アントネッラは、寵児をもうけるなど自分の時間を過ごしたのち、夫コロンボのプロデュースでソロ・アルバム『リベラ』を96年に発表する。